フィラリア予防薬 投薬前検査
[2019年02月22日]
早いもので、もう2月の終盤にさしかかり、フィラリア予防薬の投薬前の検査時期にきています。
当院の推奨検査時期は、3月1日~4月30日 投薬開始日は、5月1日~1月1日の毎月1回、9ヶ月を推奨しています。
この時期は、非常に混み合いますので、早めのご予約をお勧めします。
さて、ではこのフィラリア投薬時期をどのように決めているかを今日は、綴りたいと思います。
投薬時期は、法律や薬品会社が定めているのではなく、動物病院の裁量で決めています。
まず、フィラリアの予防の鉄則は、蚊の発生の1ヶ月後から投薬し、蚊が終息(いなくなる)してから1ヶ月後に最後の薬を投薬する。 これで、ほぼ100%予防できる。
この概念においては、周知の事実となっております。
では、蚊の発生はいつからなのか?? その中でフィラリアを媒介する蚊は、いつから発生するのか?? 蚊はいつから吸血するのか?
これらが予防する上で、重要な要素になってきます。
①蚊の発生に関しては、諸説ありますが10℃以上で発生すると言われています。(大量発生は、もう少し高温)
②フィラリアを媒介する蚊は、いつから発生するかに関しては、諸説あり確定されていません。
③蚊が吸血するのは、約15℃以上と言われています。
これらを考慮し、獣医学的な観点からHDU(Heartworm Development heat Unit)という概念があります。
(詳しく知りたい方は、http://www.petportal.jp/mt/archives/000151.html)
ただ、この概念もあくまで目安になります。
当院では、上記を踏まえ、参考にし、当院が含まれる地域の平均気温を熟慮し、予防期間を設定しております。
参考データ
気象庁:2018年4月 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s1.php?prec_no=63&block_no=47770&year=2018&month=4&day=1&view=p1
2018年4月の気温 https://weather.goo.ne.jp/past/770/20180400/
2018年12月の気温 https://weather.goo.ne.jp/past/770/20181200/ など
また、私の考えとして、「予防に勝る治療なし」が、大前提にあるため、これぐらいで大丈夫かなというラインでは無く、これで絶対大丈夫という予防を皆様に提供したいと考えています。
そのため、当院では今年も投薬期間は、5月1日~1月1日の毎月1回、9ヶ月間(9回)を推奨します。
心配で通年投与されている方もおりますが、上記期間で大丈夫です。(通年投与も間違いではありません。)
※沖縄にワンちゃんと冬に旅行に行く方は、通年予防を推奨。
少しでも皆様の負担を減らすため、今年も推奨期間のまとめ買いの方には割引を実施しております。(昨年よりも割引) ぜひ、ご利用下さい。
院長 川上亮
追伸:先日、気管虚脱ステントの認定医を取得しました。皆に必要なものではありませんが、気管虚脱お任せ下さい。